はなの病気
はなの病気

鼻づまり、鼻水、くしゃみ、後鼻漏(鼻水がのどに流れ込む・たまる)、嗅覚障害(においが分からない)、鼻血が止まらないなどの症状でお困りの方は、どうぞご受診ください。
診察では、症状の始まった時期やきっかけ、現在服用中のお薬、アレルギーや喘息の有無などを詳しくお伺いします。加えて、生活習慣やご家族の鼻の病気の有無、過去の学校検診や健康診断で鼻の異常を指摘されたことがあるかなど、家族歴や既往歴についても確認いたします。
鼻の診察には顕微鏡や電子スコープを使用し、テレビモニターで拡大した映像を確認しながら行います。鼻孔は鼻鏡で軽く広げて観察しますが、刺激に敏感な方には局所麻酔薬をスプレーで使用し、痛みを抑えたうえで鼻腔や鼻咽頭を診察します。
お子様の場合は、鼻に触れることを怖がることもありますので、細い電子スコープを用いて優しく撮影し、画像を見ながら丁寧に説明いたします。
鼻水が多い場合や鼻づまりが強い場合には、薬液を浸した綿花を鼻孔に挿入し、数分間お休みいただいた後、綿花を取り除いて鼻水の吸引や軟膏の塗布を行います。鼻血が止まらない場合には、綿花による止血処置を行い、必要に応じて原因となる血管を電気的に凝固して止血します。
副鼻腔炎や腫瘍などが疑われる場合には、近隣の病院でCTやMRI検査を依頼することがあります。手術や入院治療が必要と判断された場合には、診療情報提供書を作成し、総合病院の耳鼻咽喉科をご紹介いたします。
急性鼻炎は、いわゆる「鼻かぜ」で、鼻の粘膜に炎症が起こることで発症します。ほとんどがウイルス感染によるもので、鼻処置や点鼻治療によって空気の通り道を広げ、炎症の改善を促します。
症状の進行によっては、急性中耳炎や急性副鼻腔炎を併発することがあり、特に小さなお子様では早期の対応が重要です。赤ちゃんは丁寧に鼻汁を吸引することで呼吸が楽になります。気軽に受診してください。
無意識に口を開けている、鼻づまり、口臭がある、いびき、滑舌の悪さなど、お父さん、お母さんが毎日、お子様を見ていて心配になることがあります。口呼吸をしていると咽頭炎や扁桃炎になりやすく、虫歯や歯周病のリスクも高くなります。歯並びの乱れや発音(構音)に悪影響を及ぼすこともあります。当院では隣接する木村歯科医院と連携し矯正治療をお勧めしています。専用のマウスピースを使って正しい顎の発達ときれいな歯列を目指します。耳鼻咽喉科では鼻づまりの原因となる鼻汁や鼻閉を改善する治療の他に咽頭扁桃(アデノイド)肥大や口蓋扁桃肥大など上気道を評価しています。睡眠時無呼吸の有無や、食事に時間がかかる、食べない、成長に悪影響があるときには総合病院耳鼻咽喉科に紹介・手術も行っています。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。丁寧にわかりやすく説明します。
アレルギー性鼻炎は、原因によって以下の2つに分類されます。
主な症状は、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみや充血などです。
治療は、抗アレルギー薬の内服やステロイド点鼻薬などの薬物療法が中心で、症状に応じて点眼薬も併用します。最近では薬局でもスイッチOTCの抗アレルギー薬を購入することもできますが、他にも有効なお薬がありますので相談してください。根本的な治療法として、舌下免疫療法も行われています。
またお薬の治療で改善しない重症の患者さんでは鼻の手術をお勧めします。正しい診断と治療により、症状の改善が期待できますので、つらい症状でお悩みの方は早めの受診をおすすめします。
風邪の後に副鼻腔(鼻の周囲の空洞)へ細菌感染が広がることで発症します。
鼻づまり、膿性鼻汁、後鼻漏、咳、嗅覚障害、顔面の痛みなどが見られます。炎症の部位によって、目の周囲・頬・額・歯などに痛みが出ることもあります。
鼻処置や抗生剤の内服で改善が期待でき、小児では早期治療が慢性化を防ぎます。
3か月以上症状が続く場合は慢性副鼻腔炎と診断されます。
粘性または膿性の鼻汁、持続する鼻づまり、嗅覚障害、頭痛、歯の違和感などが見られ、鼻ポリープ(鼻茸)ができることもあります。
治療は薬物療法が中心ですが、改善が乏しい場合やポリープがある場合は手術を検討します。気管支喘息に合併する慢性副鼻腔炎や鼻茸を伴う副鼻腔炎の中に好酸球性副鼻腔炎があります。副鼻腔CT検査や鼻茸を一部生検して病理組織学的に診断します。重症例では内視鏡下鼻副鼻腔手術の適応になります。手術後も再発することがありますので、術後のフォローが大切です。最近ではバイオ医薬品を治療に用いることがあります。嗅覚障害の改善も得られて好評です。
鼻中隔(左右の鼻を隔てる壁)が曲がることで、片側の鼻づまりや頭痛、口呼吸、いびき、嗅覚障害などの症状が現れます。
軽度の場合は薬物療法で対応できますが、重度の場合は鼻中隔矯正術(手術)を検討します。
においを感じる経路に障害が起こることで、嗅覚が低下します。味覚にも影響することがあります。
原因により以下の3つに分類されます。
治療は原因により様々ですが、最近では漢方薬の長期投与により嗅覚の改善がみられることもあります。好酸球性副鼻腔炎ではバイオ医薬品を使用することで嗅覚を回復することも可能になってきました。
鼻出血は日常的に見られる症状で、特にお子様に多くみられます。
最も多いのは、鼻中隔前端部(キーゼルバッハ部位)からの出血です。
止血には、綿球やコットンを鼻に入れて外側から押さえ、うつむいた姿勢で5〜10分保持します。
15分以上止まらない場合や大量出血がある場合は、耳鼻咽喉科の受診が必要です。
頻繁な鼻血や止まりにくい鼻血は、血液疾患が原因の可能性もあるため、検査をおすすめします。
小さなお子様が鼻に異物(おもちゃなど)を入れてしまうことがあります。
鉗子やフックで摘出しますが、ボタン電池などは粘膜を損傷するため、早急な対応が必要です。親御さんが気づかないこともありますので、鼻汁が多い幼小児、何か鼻が匂うなど気になるときには診察をお願いします。
アレルギー性鼻炎に似た症状がありながら、検査でアレルギー反応が認められないタイプです。
寒暖差や食事などがきっかけで症状が出ることが多く、点鼻薬や抗アレルギー薬で治療をしますが、自律神経訓練や外科治療で改善することもありますのでご相談ください。
鼻毛を抜いた後や、鼻をいじりすぎた際に細菌感染が起こり、鼻の入り口や鼻先が赤く腫れて痛みを伴います。
抗生物質入りの軟膏や内服薬で治療します。
鼻の粘膜が萎縮することで、乾燥、鼻づまり、鼻くその増加、悪臭などの症状が現れます。
副鼻腔炎の長期罹患や手術後、高齢者に多く見られます。
保湿目的の点鼻薬や軟膏で症状を緩和します。
鼻づまりがだんだんひどくなる、血が混じった鼻汁が続く時には放置しないで受診をお勧めします。鼻腔や副鼻腔に腫瘍がある場合があります。腫瘍には良性の腫瘍や悪性の腫瘍など様々な種類があります。早期発見・早期治療がとても大切です。最初に鼻の粘膜をスプレーや局所麻酔薬の綿花で処置してから電子スコープで鼻の奥まで詳細に観察します。必要に応じて組織の一部を生検し病理組織学的検査をすることがあります。CT検査やMRI検査は腫瘍の広がりや性質を見るのに有効です。腫瘍の種類や進行度に応じて、外科手術が必要になる場合があります。専門医を紹介し、最善の治療方針を一緒に考えていきます。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。早めの診断が、安心につながります。
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